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記録資料一三四号

ARCHIVE134
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[ 2021.04.02 // INITIAL-OBSERVATION ]
LEVEL 1

観測の始まり、あるいは再開

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本アーカイブ「記録資料一三四号」は、瀬名桑想が個人的な興味に基づき収集したものではない。

……という「建前」をここに記述することさえ、近頃はひどく億劫に感じられる。

発端はある人物による直接的な『依頼』であった。彼らが何故、私を管理人に選んだのか。それは私が技術的に適正であったからというよりも、特定の事象に対する観察者としての資質、あるいは『共鳴』を見込まれたためであると推測される。依頼人の顔は思い出せない。ただ、あの時の■■■という耳鳴りだけが、今も不快に鼓膜を震わせている。

[観測の疲弊]

資料を読み解き、分類し、この場所に固定する作業。それはある種の清浄な行為だと思っていた。しかし、アーカイブが厚みを増すごとに、私自身の内面が少しずつ削り取られ、代わりに正体不明の『引力』が充填されていくのを感じる。

「引力=呪い」という定義は、公式な解説として記述したものだが、私にとってはより生理的な実感に近い。引き寄せられているのは資料だけではない。私自身の意識もまた、この記録の奥底にある■■■へと沈み込んでいっている。

— 瀬名 桑想 (S. Sena)

System Log: [RESTRICTED]

ENTRY ARCHIVED. INTEGRITY: 99.8% // COGNITIVE HAZARD: LOW to MODERATE.